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導入事例

医師監修「医療法人社団西日本平郁会 三和クリニック」と共同開発

「モバカルクリニックは診療報酬改定、医療DXに対応し、外来診療だけにとどまらず、在宅医療と相互強化したクラウド型の電子カルテです」

豊國 剛大 院長の経歴

2005年滋賀医科大学医学部を卒業後、神戸大学医学部附属病院で初期研修を行い、市立加西病院を経て2009〜2015年は同大学附属病院総合内科に所属(のち助教)、その後、神戸ほくと病院勤務を経て2016年に長尾クリニックへ入職し、2019年に副院長、2022年に院長就任、2023年より三和クリニックとして組織を継承。

  • 院長 豊國 剛大

    院長 豊國 剛大

インタビュー

モバカルクリニックの製品化にあたり、「医療法人社団西日本平郁会 三和クリニック」の豊國先生に監修をお願いしました。三和クリニックは、1995年に開院した長尾クリニック(現:三和クリニック)は30年以上の歴史をもつ地域密着の診療所です。外来診療から在宅医療にも幅広く対応しており、地域に根ざしたきめ細かな医療を提供されています。
今回の開発では、実際の医療現場で直面する課題や問題点を丁寧に共有しながら、外来診療に必要な機能を一つひとつ形にしていきました。

どのような課題や背景があり、共同開発への参加を決められたのでしょうか。

豊國先生:
当院ではモバカルクリニック導入前、外来診療では他社製品のオンプレ型電子カルテを使用し、訪問診療に専用アプリで運用していました。しかし、カルテの閲覧や登録はできても薬の処方ができないなど制限が多く、外来と在宅で情報が分断されている点に大きな課題を感じていました。こうした課題を解消し、在宅診療をもっとスムーズに行えるようにするため、当院ではクラウド型のモバカルネットを導入しました。外来診療はモバカルネットのオプション機能である「ファミリードクター版」で運用する予定でしたが、当院では外来で扱う検査が一般的な診療所よりも幅広く、標準機能では対応しきれないケースが生じていました。より良い運用方法を模索していたところ、NTTさんから共同開発のお声掛けをいただき、あらゆる診療科に対応できる柔軟な電子カルテを、現場の視点で共に創り上げられる貴重な機会だと感じ、参加を決めました。

モバカルクリニック監修にあたりどのような点を重視されましたか。

豊國先生:
当院では、医師3〜4名の体制で、1日平均120名の患者さんを診療しています。そのため、外来診療ではスピード感が何より重要です。多職種によるチーム医療の強化はもちろん、現場の診療フローに沿って確実かつ迅速に対応できる電子カルテの開発に重視しました。看護師・医療事務・検査技師・リハビリスタッフなど、日々の診療を支える多職種がスムーズに連携できることが、診療の質向上につながると思っていました。

今回の監修にあたり私が特に重視したのは、以下の3点です。

  • 現場の流れを止めない使いやすさ
    患者さんをお待たせしないためには、カルテ操作が直感的でストレスなく行えることが必須です。クリック数を減らし、必要な情報に素早くアクセスできるような設計を求めました。
  • 多職種が同じ画面を見て動けるチーム医療の実現
    多職種が必要とする診療情報がタイムリーに共有されることで、チーム全体の動きがスムーズになり、診療の質の向上につながります。
  • すべての診療科に対応できる柔軟性と拡張性
    当院では多くの検査を行うため、外来の幅広い業務に対応できる電子カルテが必要でした。「どの科でも使える」「どんな検査にも対応できる」ことを念頭に、将来的な機能拡張も見据えた設計を意識しました。

医療DXを意識された点はなんでしょうか。

豊國先生:
モバカルクリニックは、医療DXに対応した電子カルテである点も大きな特徴です。「オンライン資格確認」による受付業務の効率化、電子処方箋、電子カルテ情報共有といった機能によって、外来診療の業務フローが大幅にスマート化されました。これらは単なる利便性向上に留まらず、ヒューマンエラーの防止や情報精度の向上にも寄与しています。
さらに、指示箋や検査オーダーなど多くの業務がペーパーレス化され、多職種間の情報共有がスムーズになりました。医療のデジタル化がますます加速する中で、こうしたDX機能が標準で備わっていることは、現場にとって欠かせない価値だと感じています。

  • 豊國先生と事務長さん

    豊國先生と事務長さん

多職種連携はどのように変化しましたか。

豊國先生:当院は主に内科診療ですが、病院レベルに近い検査体制を整えており、レントゲンや内視鏡など、それぞれの部署には専門スタッフが従事しています。そのため、多職種が患者さんの情報をタイムリーに共有し、各スタッフが先を見て動ける体制をどう構築するかが大きな課題でした。

モバカルクリニックの導入によって、

  • 患者さんの状態がリアルタイムで把握できる
  • 医師がどのような指示を出したのか、各部署がすぐに確認できる
  • 指示が伝わらない・遅れる・重複するといったミスが減った

といった大きな変化が生まれました。
結果として、「チーム全体が同じ画面を見て同じ情報で動ける」そんなストレスの少ない環境が整ったと感じています。

モバカルクリニック開発で苦労した点はありますか。

豊國先生:
在宅医療では診療のスピードが求められる場面は比較的少ないため、「現在」「過去」「処方履歴」などを画面で切り替えて確認する運用でも大きな支障はありません。しかし、モバカルクリニックが主に対象とする外来診療では、患者さんを目前に短い時間で多くの情報を確認する必要があります。そのため、画面遷移が多かったり、1画面で必要な情報が確認できなかったりすると、診療の流れに大きなストレスが生じてしまいます。そこで私たちは、現在の情報から過去の経過、処方や検査結果まで、必要な情報を一画面で無駄なく確認できる電子カルテの実現を目指していました。
この点については、NTTさんに現場の声を伝えながら、画面設計や操作性の改善を何度も重ねていきました。しかし、実際に診療を行う立場とシステムを開発する立場では視点が大きく異なるため、ミーティングだけでこちらの意図を完全に共有する難しさも感じていました。それでも、NTTさんが何度も現場を確認してくださったことで、使いづらさやクリック数の多さといった課題などが改善され、現場に寄り添った形へと進化しました。

モバカルクリニックを導入して受付業務に変化しましたか。

受付事務:
モバカルクリニック導入前は、受付にいる患者さんが会計待ちなのか、採血待ちなのか、検査待ちなのかが一目では分からず、スタッフ間での情報共有にも時間がかかっていました。しかしモバカルクリニック導入後は、患者さんの現在の状況を電子カルテ上でリアルタイムに確認できるようになり、各部署の動きが格段にスムーズになりました。
また、受付ではオンライン資格確認に対応したことで患者情報の確認がスムーズになり、会計もORCAとの一体型になったことで業務負担が大幅に軽減しました。さらに、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作など、診療の流れを妨げない工夫が随所に盛り込まれており、外来運用は以前と比べて格段に効率的になりました。

  • 豊國先生と事務スタッフさん

    豊國先生と事務スタッフさん

モバカルクリニックの完成度について

豊國先生:
現時点でも診療に支障はなく、非常勤医師を含めスムーズに操作できています。ただ、これが完成形ではなく、モバカルクリニックは、今も改善を重ねながら進化し続けている電子カルテです。これまでに80件以上の改良を経て、完成に向けて着実に使いやすさが向上しています。私たちは、電子カルテの枠を超えて、経営や運営にも貢献できるシステムへと拡張していくことを目指し、NTTさんと共同でミーティングを重ねながら開発を進めています。
また在宅医療用電子カルテ、モバカルネットと同様、モバカルクリニックも小さな改善を積み重ねて着実に良くなっていく電子カルテだと思っています。現場の声が反映され続けるこのスタイルこそ、私たちが安心して使い続けられる大きな理由だと感じています。

  • 豊國先生と事務スタッフさん

    豊國先生と事務スタッフさん

在宅医療・外来診療 双方で運用できるメリットとは

豊國先生:
当院では、在宅の患者さんが外来に戻るケースや、往診中の患者さんが検査のために外来を受診するケースが日常的にあります。こうした外来と在宅を行き来する診療が多いからこそ、両方の場面で患者情報がシームレスにつながることは、診察を行ううえで大きなメリットだと感じています。
モバカルクリニックは、診療録・検査結果・医事情報・文書などを一元管理できるため、外来でも在宅でもリアルタイムに同じデータを共有できる点が大きな強みです。これにより多職種連携のスピードも大幅に向上しました。さらに、外来のみのクリニックから在宅併設の診療所、小規模病院まで対応できる柔軟性があり、機能性とコストのバランスにも優れています。紙媒体の削減や情報検索の効率化によりスタッフの業務負担も軽減され、外来・在宅どちらの場面でも運用しやすい環境が整っています。

モバカルクリニックは、どんな人に使ってほしいですか。

豊國先生:
モバカルクリニックは、紙カルテのようにぱっと開けば全体がわかる視認性を残しながら、情報検索や共有のしやすさを大きく向上させた電子カルテです。紙カルテでは指示書の回覧や情報共有に手間がかかりますが、モバカルクリニックなら、カルテ・検査結果・会計情報・書類がすべて電子化され、必要な情報を瞬時に確認できます。そのため、診療の流れがスムーズになり、スタッフ全体の負担も大幅に軽減されます。多職種がリアルタイムで同じ情報を共有できる点も大きな魅力です。

モバカルクリニックは次のような医療機関に特におすすめです。

  • クリニックをこれから開業する先生
  • 紙カルテで運用している医療機関
  • イニシャルコストに悩んでいる先生
  • スタッフの業務負担を減らして効率化したい医療機関
  • 外来と在宅の両方を診療している、または今後拡大したいクリニック
  • 多職種連携をよりスムーズにしたい医療機関

紙カルテから電子カルテへの移行は、単に紙をなくすだけではなく、診療の質を高め、働きやすい環境をつくるための大きな一歩になると感じています。

三和クリニックの今後の抱負を教えてください。

豊國先生:
当院は、30年以上にわたり地域に根ざした「町の診療所」として歩んできました。病気だけを見るのではなく、“人を診る”という医療の原点を大切に幅広い診療を行っています。
また予防医学による病気の予防・早期発見、外来での丁寧な治療に加え、通院が難しくなった方には在宅医療を通して、その人らしい暮らしを最期まで支えています。
医療だけでなく生活そのものにも目を向け、持続可能なクリニックとして地域にあり続けたいと思っています。

  • クリニックの前で豊國先生

    クリニックの前で豊國先生

クリニック情報

兵庫県 三和クリニック
院長 豊國 剛大
所在地:〒660-0881 兵庫県尼崎市昭和通7丁目242
電話番号:06-6412-9090
HP:https://sanwaclinic.com/