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導入事例

導入事例

大分県
医療法人カーサミア やまおか在宅クリニック
院長 山岡 憲夫

〒870-0823 
大分県大分市東大道3丁目62-5
TEL:097-545-8008
https://home-clinic.jp/

九州エリアで15年連続第1位の
在宅看取り実績をもつ大分のクリニック

モバカルを使用する山岡先生

モバカルを使用する山岡先生

「医療法人カーサミア やまおか在宅クリニック」は、大分県大分市に2009年7月に設立され、今年で17年目を迎える地域密着型の診療所です。訪問診療における看取り患者数は、九州エリアで15年連続第1位という実績を持ち、患者さまやそのご家族からはもちろん、地域の病院からも厚い信頼が寄せられています。

院長の山岡憲夫先生は、長崎大学医学部をご卒業後、大分県立病院で胸部外科部長を務められました。その後、オーストラリア・メルボルンのホスピスで研修を積まれ、2004年には大分ゆふみ病院の院長に就任されました。胸部外科部長として数多くの患者さまの命と向き合う中で、どんなに最善を尽くしても救えない命があるという現実に直面されたそうです。

またホスピスでの勤務時代には、患者さまたちが「家に帰りたい」と切実に願う姿に何度も心を動かされ、その願いを叶えることこそが、患者さまやご家族にとって本当の安らぎにつながるのではないかと、その強い想いから、在宅医療の道を歩み始められました。

「在宅医療」を大分地域に発信し続ける理由とは

山岡先生は、多忙な日々を送られる中で大分大学医学部の非常勤講師や、大分県緩和ケア研究会の代表世話人として、終末期緩和ケアや在宅医療に関する講演活動を続けておられます。なぜ、そこまで発信を続けられるのか、その理由を伺いました。

山岡先生:
当院は「安心感」「やすらぎ」「信頼感」をモットーに、24時間365日体制で、診療をしています。現在常勤医師3名体制で、大分市内30カ所の訪問看護ステーション、訪問介護事業所、保険調剤薬局と連携しながら訪問診療を行っており1週間に平均4〜5名の患者さまをお看取りしています。在宅医療は、「住み慣れた自宅で安心して治療を受けたい」という患者さまの最期の願いに寄り添うことのできる医療のかたちです。診察の現場に足を運ぶことは重要ですが、それだけでは在宅医療の本来の目的を果たすことはできないと思っています。

2040年には、さらに超高齢社会を迎え、在宅医療の重要性はますます高まっていくでしょう。特にがん以外の疾患を抱える高齢者や、老老介護のケースが増加する中で、医療・介護の連携や地域包括ケアの体制整備は不可欠です。在宅医療の理念と実践を若い世代へと確実に受け継ぎ、訪問看護師やケアマネジャーへの継続的な教育を通じて、大分の地域住民が安心して暮らせる体制を整えていくことが求められます。それこそが、未来の医療を支える礎となると思って発信を続けています。

在宅看取りの実践 そのケアと家族支援

※山岡先生の著書『在宅看取りの実践 そのケアと家族支援』では、在宅医療の看取りのすべてが実践に基づき、わかりやすく解説されています。

モバカルは在宅医療を支える多機能型電子カルテ

クリニック16周年記念の様子(山岡先生とスタッフさん)

クリニック16周年記念の様子
(山岡先生とスタッフさん)

山岡先生:
在宅医療の開始当初、紙カルテでの運用を行っていました。業務の効率化を図るため、他社製品の電子カルテを導入しましたが、在宅医療を行うための機能が不足しており、運用の継続が困難と感じるようになりました。
そんな中、事務スタッフがインターネットで「モバカルネット」を見つけてくれ、実際に画面を目にした瞬間、在宅医療に必要な機能がすべて網羅されていることに驚き「これだ」と直感。迷うことなく導入を決めました。モバカルを導入して8年目を迎えますが、私たちの在宅医療を支える欠かせない存在であり、「モバカルネットを選んで本当に良かった」と思っています。
モバカルは、まさに在宅医療の現場を支える基幹システムですね。

現場で高く評価されている
3つの主要機能

山岡先生:
モバカルには本当に優れた機能が数多くありますが、特に日々の業務の中で役立っている3つの機能をご紹介します。

  1. インターネットFAX機能
    これまで、多職種や多事業所へ医事文書を送付する際には、1件ずつ手作業で対応する必要があり、膨大な時間と労力を要していました。しかし、現在ではボタンひとつで瞬時に送信が完了するようになり、その利便性とスピードに、導入当初は本当に驚かされました。送信された情報は、先方にも即座に届くため、双方の業務が効率化され、連携の質も向上しています。これにより、現場での対応がよりスムーズになり、患者さんへのサービスにも好影響をもたらしています。この機能は、まさに現場のニーズに応えた素晴らしい仕組みであり、日々の診療業務において欠かせない存在となっています。
  2. 予定表
    当院では、医師3名体制で毎日訪問診療を行っています。出発前には、3人でその日の訪問患者の情報を共有し、診療方針を確認してから現場に向かいます。モバカルを活用することで、今どの医師がどの患者宅に向かっているのか、診察が終わったのか、次の訪問先はどこかなどが、リアルタイムで1画面に表示されるため、非常に助かっています。予定だけでなく、どのような診察を行ったかもカルテを開けばすぐに確認できるので、情報共有がスムーズです。もし紙カルテで運用していたら、今の数倍の時間がかかっていたと思います。モバカルがなければ現在の診療体制を維持することは不可能です。医療の質も向上し、患者さんと接する時間も増えたことで、本当に良かったと感じています。
  3. 医事文書機能
    在宅医療は、医事文書の取り扱いが多数あります。モバカルの医事文書機能は、医師はもちろんのこと、事務スタッフさんが、モバカルを導入したことで、日々便利と感じている機能の一つです。複写機能もありますし、必要な箇所を入力するだけで、あっという間に文書も仕上がります。全てにおいて在宅医療の業務が分かったうえで開発された電子カルテだと感じるので在宅医療をこれから始める方にもぜひ使っていただき、在宅医療を普及させることに貢献してくれる医師が増えるといいです。

大分県民の安心を見守る診療所

クリニックの前で山岡先生

クリニックの前で山岡先生

今回の取材の中で、最も心に残ったのは、山岡先生の「死をどのように輝かせるか」という言葉でした。人は皆、同じように死に向かって生きています。先生は、これからさらに進む高齢化社会の中で、誰もが在宅医療を受けられるようにと、日々発信を続けておられます。毎日フル活動で在宅医療を広めようとするその姿勢に、深く心を打たれました。一生懸命に走り続ける先生の姿が、非常に印象的でした。